学習塾を開業する際、特別な国家資格や営業許可は基本的に求められていません。ただし、指導内容や実績を示せる資格があれば、保護者や生徒からの信頼を得やすくなることも事実です。
なお、会社設立ではなく個人事業主として塾を始める場合でも、納税手続きをスムーズに進められるよう、開業前に必ず税務署へ開業届を提出するようにしましょう。
大学院で取得した修士号や博士号は、専門分野を深く学んだ証明になります。取得していれば、信頼度が高まるだけでなく、経験を生かした指導ができる講師として評価されやすくなるでしょう。特に難関校志望の生徒たちから、高い支持を得られる可能性があります。
学校教育の専門知識を持つ証としてアピールできる資格です。授業設計や学習指導要領の理解にも役立ちます。生徒の個性に応じた指導法を身につけている点も、保護者からの信頼を得る材料の一つになるでしょう。
学習塾で必要とされる基礎知識や指導スキルを体系的に学べます。授業運営や生徒対応の基本を押さえられるため、新規開業者が自信を持って授業を行う上での心強い支えとなるでしょう。
英語力を客観的に示せる代表的な資格。スコアや級が高いほど、英語指導者としての説得力が上がります。難関校や英語専門コースを目指す生徒・保護者からの信頼につながる検定で、英語専門塾としての差別化にも有効です。
数学の理解度を示す資格として知られています。上位級を取得していれば、高校受験や大学受験の数学指導に対する専門性をアピールできるでしょう。進学塾としての信頼度を高めたい場合、取得しておきたい資格の一つです。
文章表現や論理的思考力を評価する資格です。総合型選抜や推薦入試対策の小論文・志望理由書の指導に活かすことができます。内部進学を予定している生徒へのアピールにもなるでしょう。
中小企業の経営支援に関する専門家資格の一つで、教室運営や数値管理、集客戦略などを理論的に考えるうえで役立ちます。教育機関であるとともに企業でもある学習塾にとって、経営に活かせる有効な資格です。
ライフプランや資金計画に詳しい資格として認知されています。保護者面談での教育費相談や授業料設計の根拠を説明する際に力を発揮するでしょう。長期の進学プランを一緒に描ける塾としてアピールしたい方に適しています。
労務管理や社会保険の専門資格です。講師の雇用契約や労働時間管理、社会保険手続きなどに強みを発揮します。スタッフを雇って複数教室を運営したい方にとって、法令にのっとった健全な体制づくりに役立つでしょう。
個人で学習塾を開業する場合、教育分野の特別な営業許可は基本的に不要です。ただし事業として収入を得る以上、税務署への「個人事業の開業届」の提出が必要になります。
「個人事業の開業届」は、開業から1か月以内の提出が求められています。節税に有効な手続きとして、開業届けにあわせて青色申告承認申請書も提出しておくようおすすめします。
株式会社や合同会社を設立して学習塾を運営する場合は、まず定款を作成し、法務局で法人設立の登記を行います。そのうえで、税務署へ法人設立届出書や青色申告承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書を提出します。都道府県税事務所や市区町村にも設立の届出が必要です。
スタッフを雇用する場合は、年金事務所やハローワークで社会保険・労働保険の手続きも行いましょう。
日本版DBSとは、子どもに関わる仕事に就く人に対し、性犯罪歴の有無を照会できるようになる制度です。2024年に成立した「こども性暴力防止法」に基づき、2026年度から本格運用が始まる予定です。
学校や保育所などのほか、学習塾やスポーツクラブも同制度の「認定対象事業者」。国に申請して認定を受ければ、制度の枠組みを利用することができます。
性犯罪歴の確認や防止策の整備に取り組む姿勢を示せるため、今後は保護者が「日本版DBSの認定を受けた塾かどうか」を重視して塾を選ぶ動きが広がっていくと考えられます。
フランチャイズで学習塾を開業すると、本部が培ってきた指導ノウハウやカリキュラム、集客の仕組みをそのまま活用できます。
未経験からの独立でも、開校前研修や開校後の運営サポートを受けながらスタートできる点がフランチャイズの大きな強み。知名度のあるブランド名で開業できることも、開校直後から問い合わせを得やすくする要素となるでしょう。
個人塾としてゼロから仕組みを作るより、失敗のリスクを抑えつつ独立を目指したい方に向いた選択肢となります。
フランチャイズで塾を開業する場合、加盟金・保証金・物件取得費・内装工事費・研修費などで、初期費用だけでも数百万円規模の資金が必要になります。ロイヤリティや家賃、教材費、人件費といった数か月分の運転資金も見込んでおくようにしましょう。
自己資金と融資を組み合わせ、計画的かつ余裕のある資金計画を立てることが大切です。
事業計画書は、金融機関に融資を相談するときの「説明書」の役割を担います。売上や経費、返済プランなどを数字で示し、開業後も継続して教室を運営できることを伝えるのがポイントです。
フランチャイズ本部から提示されるモデル収支も参考にしながら、自分の地域や教室規模に合った現実的な計画に仕上げていきましょう。
事業計画を立てる際は、融資対策だけでなく「どんな塾にしたいか」を言語化する工程も欠かせません。そのためには、対象学年や得意科目、目指す合格実績、生徒や保護者との関わり方などを箇条書きで整理し、自分が大切にしたい価値観を明確にイメージしましょう。
そのうえで、フランチャイズ本部の教育理念と重なる部分を確認しておけば、双方のミスマッチを減らすことができます。
学習塾は通いやすさが重要視されるため、開業前の商圏分析が成功率を左右します。駅や学校からの距離、周辺の世帯数や子どもの人数、既存の競合塾の分布などを地図上で確認することが出発点です。
徒歩や自転車での通塾ルート、夜間の明るさや人通りといった環境面もチェックし、どの層を主なターゲットにするかを具体化していきましょう。
事業計画の段階で、塾のイメージづくりと集客の方向性も考えておくと、開業後の発信がぶれにくくなります。教室名やキャッチコピー、チラシやホームページのトーンをそろえ、「この塾は何が得意なのか」がひと目で伝わる状態を目指しましょう。
フランチャイズのブランド力も活かしつつ地域密着のストーリーも加えることで、選ばれやすい教室像に近づいていけます。
学習塾の開業には特別な資格や許可は不要ですが、信頼につながる資格や個人・法人ごとの届出、日本版DBSへの備えなど、事前に確認しておきたいポイントは少なくありません。
開業資金や事業計画の立て方、フランチャイズという選択肢まで整理したうえで、自分に合った塾経営の形を検討していきましょう。フランチャイズの具体的なブランド選びについては、下記の「おすすめの塾フランチャイズ本部3選」もあわせてチェックしてみてください。
学習塾は主に「補習塾」「進学塾」「映像塾」の3つに分かれ、それぞれ運営方法が異なります。
ここでは、学習スタイル別に、おすすめ塾のフランチャイズを紹介します。自分に合う運営方式のフランチャイズ本部選びの参考にしてください。
■選定条件
Googleの検索エンジンで「塾 フランチャイズ」と検索し表示された29社(2021年10月15日時点)のフランチャイズ本部の中から、
補習塾:「WAM」……補習塾の中で唯一「本部が費用を負担し開校前から、問い合わせが30名に到達するまでWEB集客のサポートを実施。
進学塾:「トライプラス」……CM総合研究所が行う「2022年7月度 業類別CM好感度No.1銘柄」で「マスコミ・教育」部門で1位。参照元:CM総合研究所(https://www.cmdb.jp/cmindexweb/cmlikability_202207no1_20220805/)
映像塾:「松陰塾」……映像塾の中でロイヤリティが発生しない。
として選出しました。