FCのメリットは本部がバックアップしてくれることですが、経営者の自覚がなく本部まかせになってしまうと失敗するケースがあります。
集客や人件費、教材の仕入れ、販売など、経営的な視点で考えなければ、利益率を上げるための行動が取れません。受身で本部の言うことをきくばかりでは、自分の塾はコントロールできないでしょう。うまくいかない原因も外部に押しつけてしまうので、経営が軌道に乗らず長続きしません。
塾の開業にはある程度まとまった資金が必要です。しかし、開業のための資金しか考えていないと、スタート後の資金繰りがうまくいかないことがあります。
フランチャイズ塾は、ロイヤリティや家賃、講師の給与など、毎月かかる固定費があります。開業資金はなんとか準備しても、運転資金の調達やその後のお金の回し方を考えていないと、すぐに資金面で立ち行かなくなるでしょう。
少なくとも、開業後3ヶ月間の運転資金は準備しておきたいところです。
経営者として自分で考え、塾を運営することは大切ですが、本部のアドバイスをまったく実行しないのもフランチャイズ塾で失敗するよくある例です。
本部まかせではいけませんが、かと言って本部の理念やノウハウを無視し、自分だけの考えだけで行動すると本部と価値観の違いが起こり、トラブルに発展しかねません。
本部の理念や方針に納得がいっていないままFC経営を続けることは難しいので、最初にFC塾を選ぶ際に、本部の理念に共感できるかを判断してから契約することをおすすめします。
7年前に、某大手フランチャイズの加盟店に入りました。
加盟店に入ると同時に、会社を辞めました。資料請求をした後に、本部と話し合いをしました。そこで、開業資金1,000万円が必要と言われました。
退職金もあり、何とか出せる金額でした。生徒数が40名で採算ラインに乗り、生徒を集めるのは簡単だと説明を受け、ロイヤリティーを10%支払うということで合意しました。
しかし、実際は開業資金1,500万円、フランチャイズ料は協賛金などを含めて15~20%を支払っています。(中略)
当初40名で採算が取れるということを聞いたのですが、実際は、50名で収支とんとんという感じです。
貯金を崩して生活費に回し、利益が出ずに苦しんでいました。こんな状態が6年も続いたので、今年はフランチャイズ本部に言って、辞めることを承認させました。
フランチャイズ加盟する際には、開業資金の安さだけに着目するのではなく、ロイヤリティや家賃、人件費、教材費、チラシ代など、毎月かかる固定費を確認しましょう。
どれだけ熱意があっても、運転資金が回らなければ経営は成り立ちませんので、売上はいくら以上達成しなければならないのか、そのためには生徒を何人以上集めなければならないのか、しっかりシミュレーションして、目標を定めましょう。
塾の運営には生徒を集める必要があります。そのためには、立地や地域の状況が重要なカギを握ります。
地域の小・中学校、既存の塾、開設する塾の立地、交通量、暗くなってからの安全性など、徹底的にリサーチしましょう。
FC本部がサポートしてくれる場合もありますが、自分でもしっかリサーチして把握することで、集客に結びつけることに繋がります。
■選定条件
2023年10月26日時点、Googleにて「塾 フランチャイズ」で検索し表示された全結果のうちフランチャイズ募集がある学習塾23社と、アントレで「フランチャイズ フランチャイズ×塾・スクール」と絞り込んで該当した学習塾6社の中から、
補習塾:「WAM」……補習塾の中で唯一「本部が費用を負担し開校前から、問い合わせが30名に到達するまでWEB集客のサポートを実施。
進学塾:「現論会」……進学塾の中で唯一、生徒単価の高い大学進学を専門とするフランチャイズ。
映像塾:「松陰塾」……映像塾の中でロイヤリティが発生しない。
として選出しました。