まずは、学習塾を開業・経営するためにどのような初期費用や運転資金が必要となるのかを整理しておきましょう。もっとも大きなウェイトを占めるのが、教室となる物件の取得費(保証金や前家賃)や内装工事費、机や椅子などを揃える設備資金です。さらに、講師や事務員を雇用するための人件費、授業で用いるテキストなどの教材費、そして開校にあたって生徒を募集するための広告宣伝費など、さまざまな費用がかかります。
「補助金」と「助成金」は、どちらも国や地方自治体から支給される「返済不要の事業資金」ですが、性質が異なります。補助金は支給額が大きい反面、採択件数に上限があり厳しい審査を通過する必要があります。一方の助成金は、支給額は控えめな傾向にありますが、雇用要件などを満たせば高い確率で受給できるという特徴があります。
また、補助金は「設備投資やIT導入、販路開拓」を対象としているものが多く、助成金は「労働環境の向上や雇用の促進」を目的としているケースが一般的です。
これらを踏まえた上で、学習塾を開業する際に活用できる制度について見ていきましょう。
こちらは厳密には補助金・助成金ではなく、新たに事業を立ち上げる方を対象とした公的な融資制度です。あくまで「融資」であるため返済の義務はありますが、一般的な民間金融機関のビジネスローンよりも低金利で借り入れることができるため、創業期の資金繰りを安定させる強力なカードとなります。申請にあたっては、事業計画の妥当性や用意した自己資金の割合などが審査されます。
厚生労働省が実施している助成金で、雇用機会が不足している特定の過疎地域などで新たに事業所を開設し、現地で従業員を雇用した場合に支給されます。この助成金の大きな魅力は、支給額を人件費だけでなく施設整備費や備品購入費などにも充てられる点です。指定の対象エリアで開校し、地元スタッフを雇用する予定がある場合は、活用を検討したい制度です。
中小企業庁が実施している補助金で、小規模事業者が行う「販路開拓」や「業務効率化」の取り組みを支援する目的で制定されています。学習塾の場合、公式HPの制作、生徒募集のチラシ作成やポスティング費用、看板の設置などが対象となります。ただし「常時使用する従業員数が5人以下(商業・サービス業の場合)」など、小規模事業者としての枠組みを満たす必要があるため、企業規模や雇用人数には注意が必要です。
各市区町村が独自に実施している制度で、その地域内で新たに創業する者に対して開業資金の一部を補助するものです。自治体によって制度の有無や名称、補助対象となる経費(家賃補助や内装工事費など)が大きく異なります。開業予定エリアの自治体HPや、管轄の商工会議所の情報を事前にしっかりとリサーチしておくことが重要です。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が監督する、業務効率化や生産性向上を目的に「ITツール」を導入する事業者を支援する制度です。学習塾においては、LMS(学習管理システム)、オンライン授業の配信システム、生徒の予約・入退室管理ツールなどの導入費用に活用できます。申請には、事前に事務局に登録された「IT導入支援事業者」のサポートを受けながら手続きを進める必要があります。
小規模事業者持続化補助金などをはじめ、多くの補助金は「自社の販路開拓(広告宣伝)」や「設備投資(備品購入)」にかかる直接的な経費を対象としています。そのため、フランチャイズ本部に支払う加盟金や保証金、毎月のロイヤリティなどに補助金を充当することはできません。資金計画を立てる際は、手出し(自己資金)となる部分と補助対象となる部分を正確に切り分けておく必要があります。
たとえば「IT導入補助金」を活用したいと考えても、フランチャイズ本部側が「本部指定の学習システム以外は導入不可」という規定を設けているケースがあります。もしその指定システムがIT導入補助金の対象ツールに登録されていなければ、補助金は利用できません。逆に、本部が補助金対象ツールを積極的に採用していれば、初期費用を大幅に抑えるチャンスとなります。加盟前にツールの仕様と補助金の適用可否を確認しておくと良いでしょう。
フランチャイズビジネスは、本部が築き上げたブランドと統一されたルールのもとで運営することが大前提です。そのため、補助金を使って独自の販促活動や設備投資を行う場合は、必ず本部の規約に抵触しないか事前確認が求められます。
たとえば、補助金を活用して独自の生徒募集チラシを作成しようとしても、多くの本部では「本部が承認した公式デザイン以外の広告使用は禁止」というルールを設けています。事後報告で進めてしまうと、せっかく制作したチラシが使用できず、経費が全額無駄になってしまうリスクがあります。申請前の段階で、意図する資金の使い道が本部のルール上問題ないか、担当者とすり合わせておくことが賢明です。
上記の注意点を踏まえ、加盟相談の面談時には以下のような質問を本部に投げかけてみましょう。
優良なフランチャイズ本部であれば、加盟オーナーの初期負担を減らすために、補助金申請に強い社労士や中小企業診断士を紹介してくれたり、事業計画書の作成をサポートしてくれる体制が整っているでしょう。こうした資金調達に対する本部姿勢の良し悪しは、加盟先を選ぶ際のポイントです。
学習塾の開業において、返済不要の補助金や助成金は資金繰りを改善する強力なツールです。しかし、フランチャイズでの独立を目指す場合は、本部が定めるルールやブランドガイドラインに則って活用できるかを事前にすり合わせることが大切です。
フランチャイズの加盟先を比較検討する際は、「自社の利益だけでなく、加盟店の資金繰りや補助金活用まで親身にサポートしてくれる本部か」という視点もぜひチェックしてみてください。戦略的な資金調達で、安定した学習塾経営をスタートさせましょう。
学習塾は主に「補習塾」「進学塾」「映像塾」の3つに分かれ、それぞれ運営方法が異なります。
ここでは、学習スタイル別に、おすすめ塾のフランチャイズを紹介します。自分に合う運営方式のフランチャイズ本部選びの参考にしてください。
■選定条件
Googleの検索エンジンで「塾 フランチャイズ」と検索し表示された29社(2021年10月15日時点)のフランチャイズ本部の中から、
補習塾:「WAM」……補習塾の中で唯一「本部が費用を負担し開校前から、問い合わせが30名に到達するまでWEB集客のサポートを実施。
進学塾:「トライプラス」……CM総合研究所が行う「2022年7月度 業類別CM好感度No.1銘柄」で「マスコミ・教育」部門で1位。参照元:CM総合研究所(https://www.cmdb.jp/cmindexweb/cmlikability_202207no1_20220805/)
映像塾:「松陰塾」……映像塾の中でロイヤリティが発生しない。
として選出しました。